コミュニティサービス、NAVERの「pick」と「cafe」が2011年8月30日に大幅リニューアルされました。
私もこのサイトは一年半前のオープン時から、楽しく使わせていただいてます。

しかし、このリニューアルは大きな改変であったため、ユーザーは大混乱。
開発・運営に対する批判が雪崩をうっているようにに見えます。

リニューアルの詳細は長くなるので省略しますが、一番大きな変更点は、コミュニティ掲示板的な「cafe」とSNSのマイページ的な「pick」が、完全に分離してしまったことでしょうか。

pick(ピック)

・リニューアル後ユーザーが混乱 
今まではpickとcafeが連動していたので、cafeに投稿した内容がpickのフォロワーのタイムラインにも反映されていました。
それができなくなってしまって、cafeに投稿したユーザーのpickページが探せないという状況
(逆もしかり)
ユーザーが混乱して、友だちを探してさまよい歩く状況に思えます。

他の改変項目への戸惑いも合わさって、ユーザーには困惑と不満が多いようで、NAVERの「ご意見ご要望コミュニティ」などにたくさんの意見やら苦情やらが寄せられています。

・ユーザーの気持ちと開発運営さんの意図 
かなり大幅に変わったので、
自分もユーザーの一人として正直使いづらい感じを持っています。もとに戻してほしいな、と思う気持ちもしかり。

でも、開発・運営さんは今回のリニューアルについて、相当根本的なところから考えなおして、細部に至るまで煮詰めてリリースされた跡が随所にうかがえます。
pickcafeの連携を外したのも、かなり考えぬいた上の結論だと思います。

せっかく頭を絞って手間暇かけてリニューアルされたのに、ユーザーから罵声を浴びせられるばかりなのは、ちょっとかわいそう。

残念ながら、開発運営さんのリニューアルの意図がユーザーに十分伝わっていないような気もしています。
できれば
リニューアルの意図をわかりやすく説明されると良いかと思うのですが。
そうしても不満は収まらないかと思いますし、火に油を注ぐことになるかも知れませんが、それでもそれが本筋かなと。

逆に自分のようなユーザーは慣れないながらも使っていって、開発運営さんの深い意図を味わうのも悪くないかなと思っています。

人気・スト   広場

・コミュニティサイトの重み
mixiの機能変更などもそうですが、SNSなどコミュニティサイトでの少し大きな変更は、ほぼユーザーの反発を招くようです。
ユーザーはそれまでのサイトが気に入って使い慣れているのですから、細かいユーザビリティの改善以外の変更は改悪となり、歓迎しないもの。

特にコミュニティサイトでは、ユーザー同士のつながりは他で置き換えられないものですから、その土台を壊すようなことを運営側にして欲しくない、そんな強い気持ちがあると思います。

一方開発・運営さんは、いつまでも現状維持だとサービスとしてジリ貧ですし、流れの早いネットの世界ですぐに取り残されてしまうので、大きな変更をしたくなるものと理解しています。

そうなると、双方に隔たりができてしまいます。難しいですよね。

コミュニティサイトの開発運営は、単に人がつながる「道具」を提供するということでなく、もっと大きな社会的意味合いがある重いものと、いつも思うんです。
重いがゆえに今回のようなことがあると大変なのですが、社会的意味が大きいプロジェクトを開発運営することは素晴らしいことと思います。
なので、元気を出してくださいね(えっ、落ち込んでないって?)

・一緒に作ってゆく
 上のようにどうしてもユーザーと開発運営の望む所が違うわけですから、このような混乱は生じてしまうのでしょうね。
NAVERさんのような、前向き思考が強いところはなおさらかと。

もし、ユーザーが「改悪だ!」と開発運営を感情的に批判し、開発運営はユーザーを「何を変えてもユーザーは怒るだけだから放っておいて、やめたいユーザーはやめたらいい」と開き直っているなら、それはとても残念なこと。

理解してもらえなくても運営さんはユーザーに説明するのが役割だと感じます。
その上、手間でもユーザーさんの意見を真摯に聞いて、ある程度それを反映したサイトにしてゆかれるのが良いかと。

またユーザーさんは感情的にならず、使わせてもらっていることに感謝しながら(卑屈になることはないですが)、運営さんに前向きな改善提案をするのがよいのではと思っています。

偉そうなことを書いて恐縮ですが、人とのつながりが強いcafe/pickのようなコミュニティサービスでは、ユーザーと開発運営が区切られるのではなく、一緒になってサイトを作ってゆくことがとても大切と思うんです。
こんなセリフは陳腐化していますが、本気で実行しているサイトはなかなか無いような。

でも、cafe/pickでは、今までも運営さんがユーザーとして参加し交流を持つなど、両者の垣根を低くすることに積極的でした。
今後それを発展させて、今回の騒動を機会と捉えて、さらにユーザーと一緒にサイトを作る姿勢を見せていただきたいな、と願っています。

・より充実したソーシャルサイトへ
NAVER cafe/pickは、韓国が本拠地であるNAVERのサービスですが、日本製と聞いています。
日本のユーザーの好みをよく検討して作られているな、といつも思います。

今、SNSはTwitterやFacebook、Google+など米国製が世界を席巻しています。(Twitterは厳密にはSNSではないかも。)
別に使いやすければどこの国のものでもこだわりはないのですが、Facebookの実名問題ひとつにしても日本の感覚からかけ離れているようで、どうもしっくり来ません。
かといって日本のSNSでは、かなり前からあるmixiやGREEから、長らくあまり進展がないようにも感じています。
そんな中、比較的新しいSNS的なソーシャルサービスであるpickやcafeは貴重な存在だと思うんです。

cafe/pickには、今回の混乱にめげず逆に貴重な糧として、ユーザーと共にさらに大きく充実したサイトになることを、心から願っています。

pick: http://pick.naver.jp/
cafe: http://cafe.naver.jp/