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 8月16日、京都・五山の送り火です。
どうもこれを見ないと夏が終わらない気がするので、今年も嵐山渡月橋近くに行き、送り火のひとつ「鳥居形」を見つつ、ゆく夏を惜しみました。

お盆に帰ってきたご先祖様の霊が、再びあの世へ戻ってゆきます。 送り火はそれをお見送りする儀式。
賑やかなお祭りと違って、人が多くても少しもの寂しい行事に感じるのは自分だけかな。

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嵐山では送り火に合わせて、灯籠(とうろう)流しが行われます。
桂川に流される灯籠も風情がありますね。

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灯籠も、ご先祖様の霊を供養するもの。

嵐山嵯峨野は普段から独特の雰囲気のある場所ですが、この夜は特に何か霊気のようなもので、あたり一面が覆われるような気持ちになります。
ただ、それは不気味だとか気持ち悪いとか言うものではなくて、むしろ落ち着くのですけどね。

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20時20分に鳥居形の送り火が点火。

灯籠流しと鳥居形の送り火が一緒に写真に撮れました。
ここはテレビ局のカメラが横に位置するくらい、良いスポットです。

川面に映る灯りもきれいで、幻想的な光景に見とれてしまいます。

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送り火は30分ほどで終了。その後、渡月橋をゆっくり渡りました。

橋の上は、夜風がとても心地いいのです。
ちょうど送り火が行われる今の季節、感じる風の生温さが少なくなって、ちょっと秋の温度に変わってきているのがわかります。

橋の途中で立ち止まって、欄干に身を任せ川と山々を見つめると、精霊が夜空に登ってゆくような、そして自分はそれを見送るような気分になっていました。
でも、自分も一緒に登っていく気持ちにはならなかったので、まだ当分はこの世で暮らすことになるのでしょう。

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送り火が終わって30分もすると、だんだん静かな嵐山の夜が戻ってきます。

これで京都の夏は終わった気になってしまいます。
でも、派手な色の川面に寄り添うカップルが、まだまだ夏が続くことを示しているようです。
実際、京都の残暑は厳しいですし。
もう一息、残暑を乗り切ってがんばってゆきましょうね。

PENTAX K-7 with SIGMA DC 18-50mm F2.8 & 70-300mm F4-5.6 APO DG