時には少し暑いくらいの気候になってきました。
毎年春にこのちょっとした暑さが来ると 、早いんだけど夏の出来事を思い出すんです。
温度という皮膚感覚が、記憶を呼び覚ますんでしょうね。
えっ、そんなの僕だけ?
友人たちと旅行に行って、海沿いの宿で泊まった思い出。
夜の砂浜で花火をして、ロケット花火を友人に向けて打って危うく火傷をさせるところだった。
その時は酔っていてよく分からなかったけど、今から思うとほんと申し訳ない。
その後、好きだった女の子と夜の砂浜に座って少し話をしたのを、かすかに覚えています。
人が周りにいない場所でふたりきりで話したのはたぶん初めてだったので、これはチャンス。
でもね、その時、あと一歩が踏み出せなかった。 その娘も自分のことが好きだったはずなのに。
なんで言わなかったのだろう?と今は思うけど、それが青春なのかなと訳の分からない解釈をして、自分の中でお茶を濁している。
その娘とはこの後もいい友達だったんだけど、結局踏み出せず恋人になることはなかったんです。
なんか不甲斐ないなあ、自分。
夜更けに、少しだけ星が流れたような気がしました。
人間って都合のいいもので、過ぎ去ったことはなんだか良い記憶として残りますよね、特に夏の思い出は。
この夏も、将来に良い記憶として残るような季節を送りたいと思っています。
写真は、2、3年前の夏に撮ったのを持ってきました。
今年も夏らしい写真が撮れるといいな。
夏蝉 熊木杏里
戻りたくて 戻れない あの道で
幸せだけが歩いている
今の暮らしの中では もう会えない
とめどない毎日